働く時間があってこそ、遊びの時間も全力投球できる! 自分らしくコントロールできる生活のために・・・

立花さん

立花祐子さん 第5期(2021年5月)受講生

 シリーズ第4弾は、企業に勤めながら、“時短家事アドバイザー”として活動されている立花祐子さんです。定年退職に向けて数年前から“定年後の生活”をイメージしつつ社外での活動域を広げ、また、山登り、筋トレ、歴史探訪、バイオリンと趣味を広げている立花さん。 趣味の一つである“ホットクックを使った時短料理“については、すでに色々なにコミュニティで講座を開かれています。

■これまでのキャリアの歩み

— 立花さんのこれまでのキャリアの歩みを教えていただけますか?

立花さん:薬科大学卒業後、新卒で外資系製薬会社に、MR(営業担当)として入社しました。当時、MRは“接待係“の色合いが強かったため、女性の仕事としては業界としてほとんど認知されておらず、担当先の病院を訪問しても「女の子が何しに来たの?」という扱い。 ただ、そこは逆に何も知らない新卒の強さで、「こんなものでしょう?」と過ごしていたようで、苦労したことはあまり思い出せません。逆に女性ということで、一度訪問したらすぐに顔を覚えていただき仕事ができた面もあったと思います。

 その後、本社勤務になり、研究開発を皮切りに本当に色々な仕事に携わることができました。何度かの海外出張、6ヶ月のイギリス赴任も経験させていただき、今の人生観にも大きく影響をうけることができました。外資系で転職せずに1社に勤められたのは、会社のカルチャーが好きだったこともありますが、”社内転職“のように様々な部署を経験させていただいたことも大きかったと思います。一方で、自分に専門性が育たないことも悩みではありました。ただ、現在はアウトソース関係の仕事をしていますが、あちこちの部署を経験したことで部門全体のことやいろいろなプロセスをハイレベルには理解できていることが、非常に役に立っています。

■セカンドキャリアへの準備

— セカンドキャリアについては、どのようなご準備をされてきたのでしょうか?

立花さん:セカンドキャリアは、50歳を過ぎたくらいからなんとなく意識し始めました。 といっても、マニュアルや“女性定年後バッチリセミナー”みたいなものがあるわけではなく、何をしていいのかよくわからなかったのですが、定年関係の本を読み、どんな選択肢があるのかとか、どんな準備しておくのかとか、なんとなくイメージしたり、あちこちのコミュニティに参加してみたりして、自分には社外でも使えるスキルがあるのか、などいろいろ試してみました。特に社外コミュティへの参加経験はとてもよかったですね。 社内では当たり前と思っていたことが社外では珍重されたこともありましたし、一方で社外の方の考え方やスキルからの学びもたくさんありました。

 さらに社外の人脈があちこちにできて、この時期からいろいろと世界が広がっていきました。特に、個人でお仕事をされている方は、組織に守られている会社員とは全く違った力強さ、説得力、覚悟のようなものを感じ、今でも学ばせていただくことが多いです。また、コロナ禍は大変なこともありましたが、東京でしか行われていなかったセミナーがオンラインで全国に広がったことは、私にとって本当に大きかったです。どこにいても、同じ環境でつながることができ、これで人脈がさらに広がりました。

■ はじまる次のステージへ

— 定年が間近に迫っておられるということですが、いよいよネクストストーリーが始まりますね。

立花さん:はい、やりたいことが目白押しで、毎日わくわくと過ごしています。一方で、若い頃に比べると、体力はなくなっています。 十分な睡眠をとらないと翌日は頭が重いですし、老眼で目もかすむ…。若い頃は三食駅弁で出張続きでも平気でしたが、今は考えられません。ですので、この年になると健康でいることがすべてのベースになると思い、特に、運動と食事に気をつけています。運動は、山岳会にはいっており、足腰を鍛えつつ山仲間との山歩きを楽しんでいます。 普段は六甲、奈良、京都くらいまでの日帰り登山が多いですが、昨年は白山(2702m)に登り、初めての山小屋泊ができたことが思い出です。

 食事は、できるだけ作るようにしており、美味しいものを食べたいけど毎日手間はかけられないことをなんとかしたくて、“時短家事”の工夫を日常で始めていました。料理は、実はあまりしたことがなかったのですが、思い出すと子供の頃から、“お料理番組”が大好きで、大人になってからも一時期、NHK“今日の料理”を全部録画してみていました。薬学の実験みたいなところもありますし、あらかじめ状況整理をして(食材は何があるか、時間はどのくらい使えるか、栄養素は揃ってるかなど)、段取りを決め(食材は最初に順番を決めて全部切っておくなど)、時間内に終わらせる(ホットクックとヘルシオ加熱は同時並行で進めるなど)ところなど、会社でのプロジェクトマネジメントの“プランニングしてタイムラインを遵守し、プロジェクトを完了させる”ことに似ていると思っていました。 会社のプロジェクトはなかなかタイムライン通りには進んでくれませんけど(笑)
会社で学んできたことが日常生活でも応用できて、それが家事、特に料理に生かせている気がしています。

■時短料理家事アドバイザーとして

— “時短家事アドバイザー“の活動を始めておられているとのことですが、これについてもう少し教えていただけますか?

立花さん:ホットクックやヘルシオをつかった時短料理をFacebookなどでシェアしていると、友人から教えてほしいというお声を頂き、実際に自宅に来ていただいたりして教え始めました。

立花さん
時短料理の心強いパートナー

 教えるというレベルではなく、友人にシェアという感じで始めたのですが、あちこちのコミュニティからお声がけいただくようになり、休日にはホットクックと食材を担いで実演にうかがったり、zoom中継で講座を実施したりしています。AI調理家電に任せて楽なのは、加熱している間、キッチンにいなくていい(別のことができる)ことと、コンロ火を使うことがないので安全に調理できることです。料理をあまりしたことがない男性や子供さんでも簡単にできるので、生活に取り入れたら助けになるということを知っていただけたらな、と思っています。売る気は全くないのですが、多分ホットクックは30台くらいは、“お買い上げ”頂いたと思います。

■ 「働くこと」とは

— 定年後も何らかの形で仕事を続けたいとおっしゃっておられましたが、立花さんにとって“働くこと”とはどういうことかを教えていただけますでしょうか?

立花さん:私は働くということは、その年齢なりに社会のためにできることをやることじゃないかな、と思っています。若い頃は、“会社に行くことは働くこと“だと思っていましたが、最近は、何らかの形で社会の役に立つことと自分の中では定義しています。 それに、人生100年時代ですから、定年後の人生は想定より長い。例えば、一昔前の”サザエさん“の頃の”定年イメージ“とは違い、私ももう波平さんやフネさんを大きく超えた歳になっています。ただ、自分がご隠居になってゆっくりするというイメージはわかないですね。

 これには、若いときに仕事でイギリスに滞在していたことも影響しています。イギリスでは、朝は8時には出社し退社するのは4時過ぎくらい。帰宅後、子供をサッカーに連れて行ったり、友達とパブでおしゃべりしたり、家族と夕食をとったりして夕方の時間を楽しみます。残業をする人は”段取りが悪い人“と認識されますし、休暇もたっぷりとり仕事も人生を楽しんでいるように感じました。また、病気のお母様をリゾートに連れて行く計画を話してくれて、”彼女は、あとどれだけ生きられるかわからないから楽しんでもらわなくちゃ!“と、はつらつと笑っていたのをみて、私の概念では病気ならばできるだけ負担にならないように施設でケアすべきでは? と思っていましたが、”働くことと楽しむことが両方揃って、人生!“という考え方を教えてもらいました。
ですので、若い頃のようながんばりはききませんが、経験や知識はある程度あるはずなので、それらを生かして誰かの役に立てれば幸せだと思います。そして、それが“働く“ということなのではないかと思っています。 

—  最後に後輩達へのメッセージをお願いします。

立花さん:定年を意識されたら、会社だけでなく、いろいろなコミュニティに参加することをおすすめします。会社でなく、いろいろな“社会“に行ってみるわけです。そうすると、いろいろな業界、年齢層の友達ができて、彼らからの学びは大変大きいです。 また趣味もどんどん始められたらいいと思います。若い頃に好きだったことでもいいし、これから新しく始めるのもいいと思います。私も50歳過ぎからバイオリンを始めました。 お聞かせできるような音はなかなかでないのですが、”自分比“で、すこしずつでも昨日できなかったことが今日はできる!というのがうれしくて、継続できています。娘には、“どんどん失敗しな!”と、よく言います。今までの自分の人生を振り返っても失敗したときやつらかった経験の方が血肉になっていると思います。 やってみようかな、どうしようかなと思ったときは、迷わず“Go!”をおすすめします。

— 立花さんの行動力に刺激を受け、あらためてファンになりました。ありがとうございました。


インタビューを終えて:
「働くことは何らかの形で社会の役に立つこと」「これまでの経験や知識を生かして誰かの役に立てれば幸せ」という考え方に共感し、その考え方を行動に移されている立花さんの生き方がキラキラ輝いてみえました。立花さんのこれからのネクストストーリーを楽しみにしています!

(2024年3月29日)インタビュアーは、マチュアの会コンテンツチームの豊永真由美(7期生)と、庄司喜美代(8期生)が実施しました。