踏み出す勇気が未来を変える―新しいことを楽しみながら挑戦

柏原さん

柏原恭子さん 第6期(2021年10月)受講生

 シリーズ第2弾は、会社員を辞めて社会のために活動を始める柏原恭子さん。
定年になるまで会社員でいる必要はなくて「会社員をいつ辞めるかは自分で決める」という考えのもと、今がその時期だと新たなステージに上がる柏原さん。NGO活動を行い、キャリアコンサルタントの資格取得に向けて動き出し、「昼スナ」のママも始めました。「これからの活動にワクワクしかない」という柏原さんに新しい挑戦についてお話をうかがいました。

■これまでのキャリアの歩み

— 柏原さんのこれまでのキャリアの歩みを教えていただけますか ?

柏原さん:大学を卒業した後に食品メーカーで営業の仕事を始めました。バンの自動車に乗って一日中スーパーマーケットをまわっていました。当時、男女雇用機会均等法の5年目でしたが、 関西にあるその会社では営業職に女性が入って2年目になったところでしたので、 行く先々で「男性しかいないんだな」と感じていました。女性として1人ぼっちだったというより、女性が珍しいので結構可愛がっていただいて、とても楽しく仕事をしていました。
そのあとに、転勤になったり、退職したり、派遣で働いたりと、勤務先や働き方を変えて、当時としては珍しいというか、 標準でない形で10年くらいの間に転職を重ねてきました。今の会社は正社員として4社目で、勤続22年目になります。

— 転職で大変だったことはありますか?

柏原さん:大変だったことは覚えていないです(笑)。それぞれの場で、自分がやりたかったことを経験出来てよかったし、いろいろなことがありましたけど、それぞれが次につながったと思っているので全部いい経験だったと思います。

■会社員を卒業して次のステージへ

— 今の会社を2023年8月末に退職されますが、 辞めようと思ったきっかけは何でしょうか?

柏原さん:辞めようという感じではなく、会社員を卒業する時期が来たと感じたからです。私は、「会社員をいつ辞めるかは自分で決める」ものかなと思っています。本当はもっと早く退職したかったのです。自分の人生の中で会社員というのは「ごく一部」で、それ以外の活動もしています。
でも、会社員をやっているとやっぱり時間的に制約も多くて「やりたいこと」が非常に制限されてしまいます。
そのバランスを取りながら今までやってきましたが、会社員はある程度満喫したので、むしろ今までちょっと後回しになっていた「社会的活動」やその他の「やりたいこと」を大事にしたいという時期が今来たのかな、と思いました。

経済的な事情も大きくて、来年子どもが社会人になることが決まりました。ですので、もう少し仕事の比率を落として、それ以外の事を充実させたいなと思ったのです。これまでは会社のために働いてきたので、これからは社会のために時間を使いたいなと。 

— 退職後はどのようなことをされますか?

柏原さん:これまでのキャリアの歩みの話の中に「男女雇用機会均等法」というものがありましたが、そういう社会的なことに関心を強く持っていました。今の会社に入るよりもっと前にNGOの活動を始めました。NGOの活動が自分としては軸になっていて、それを実践する場や情報収集やネタ集めのために会社で働いていた、というところがあります。もうネタ集めは十分できた状態で、会社員ですと平日にNGO活動の時間が取れなかったりしたので、もっと重点的にやりたいと思いました。さらに会社員でいると会社で働くというキャリアイメージしか持てないので、もっと視野を広げて、それ以外の働き方とか、いろいろなことをしている人のことを知りたいと思っています。

■ 多様な選択肢からキャリアを選べる世界に

— 今、キャリアに悩んでいるマチュア世代の方へアドバイスをお願いします。

柏原さん今の私たちは昭和の親を持った世代なので、企業で年功序列・終身雇用で働いて定年になったら引退するとか、最近では延長するというのが中心になっています。なので、それ以外のロールモデルがあまり描けていないのだと思います。でも、今後10年、20年先まで私たちが元気に活躍するとしたら、会社員でない生き方、時間の使い方、人生の使い方のための選択肢がもっと増えてもいいと思っています。その1つの選択肢を自分自身でやってみようと思っています。マチュア世代の方もいろいろなことをされている方がいらっしゃるので、様々な選択肢を知りたいし私もやってみたいなと。そういう世界になればもっとみんなが働きやすく、楽に生きられるようになるのではないかなと期待しています。

— ワクワクしますね。

柏原さん:ワクワクしかないです(笑)

■ セカンドキャリアに向けて始めたことの1つ、「キャリアコンサルタント」資格取得

これから具体的にやってみたいことや考えていること、その中でも一番やりたいと思っていることを教えてください。

柏原さん:とりあえず入口としては今まで想像できなかった「昼スナ」、スナックのママになるチャンスが来たので、まずはやってみようと始めました。「昼スナ」へ行くといろいろな人に出会えるし、いろんなつながりもあります。なのでそこでいろいろな人とつながったり、話を聞いたり、世界を広げてみようかなと考えています。
もうひとつは、これまでキャリアについて考えたりやってきたりしたので、体系的に勉強してキャリアコンサルタントの資格を取ろうと養成講座に通い始めて勉強しています。来年3月に試験を受けて資格を取りたいです。養成講座の中でも新たな出会いもあると思いますし、資格を取ることで次につながることもあると思うので1年間かけてじっくり模索していきたいなと思っています。

— 資格を取得されたら何をされるか決められていますか?

柏原さん:これまでの企業の枠でのキャリアではなく、ライフキャリアというものを考えて還元できればいいかな、自分らしく何かできるのではないかな、と考えています。まだすごくぼんやりしていて具体的になっていなくて・・・ でも、いろいろな人がいろいろなことをやっているな、っていうのがここ2~3か月の間でもすごく見えてきました。

— 資格を取得された来年の4月に、もう一度同じ質問をさせてください。

柏原さん:そうなんですよ。まさにビフォーの状態なのでアフターがどうなっているか、乞うご期待ということで(笑)

■ 「スナック田んぼ」で昼スナのママデビュー!

— 今、お話がでましたが、昼スナについてやろうと思ったきっかけなど教えていただけますでしょうか?

柏原さん「マチュアの会※」がきっかけですね。マチュアの会で木下紫乃さんの本の話が出たので、それを読んだのと、マチュアの会での木下紫乃さんの講演を聞いて、興味を持ちました。そして木下紫乃さんの開いている「スナックひきだし」に行って、紫乃さんとお話したり、それ以外のママのところに3~4回くらい行きました。「スナックひきだし」のママで1人で気軽にやっている方もいらっしゃって、話を聞いたら「やったら~?」なんて言っていただいたので、まずはやってみようかと!
でも、やるのはすごく簡単なんですけど、続けるのはすごく難しいと思います。今まで3回開催して何とかできています。マチュアの会の方にもご来店いただいています。マチュアの会のメンバー同士はzoomでは会っていますが、なかなかリアルで会う場面がないので、この「昼スナ」でマチュアの会のメンバーがリアルで楽しく繋がる場にもなればいいなと思っています。

— 続けるのは何が難しいですか?

柏原さん:集客が難しいですね。

「スナック田んぼ」の様子
「スナック田んぼ」の様子

自分が知っている範囲でまずお声をかけて、でもそれだけでは続かないので、そこからいかにリピートしていただいたり、お友達を誘っていただいたり、ママをやるために「スナック田んぼ」ということで開催しているんですけど、インスタも初心者で「スナック田んぼ」で立ち上げて勉強しながら今やり始めているところなので、インスタを通じてつながった方に来ていただいたりとかそういうところで集客をいかに広げていけるかがチャレンジですね。

■ 「スナック田んぼ」を娘さんと一緒に

娘さんと一緒に「スナック田んぼ」をされているとのことですが、娘さんとやろうと思ったきっかけは何ですか?

柏原さん:もともと一緒にやろうと言って始めたわけではなくて、私がやろうっていう話をしていた時に、1人でやるのも大変なんですよね。2人くらいカウンターに入っていないとなかなか対応しづらいので、「じゃあ、手伝うよ」と娘が言ってくれて今一緒にやってもらってます。すごくいい組み合わせだと思っていて、私は主に集客を中心にお客様とおしゃべりしたり全体を見ているんですけど、娘は接客とかインスタとかいろんなことを教えてくれて、若い世代とミドルやシニア世代という世代の幅も広がって、結果的には良かったなと思っています。

柏原親子

娘の玲さんと一緒に

娘さんの友達もいらっしゃいますしね。

柏原さん:そうですね。やっぱり世代間のつながりってなかなか家庭の中だけでは変わっていかないじゃないですか。ゆっくりしか。そこをこういったところでいろいろ話す中で世の中の変化も加速できるのではないかなって感じています。

娘さんにも登場してもらって、お話をお聞きしたいと思います。

玲さん(娘さん):柏原玲です。大学4年生です。

「昼スナ」をやってみてどうでしたか?普通出来ない体験ですよね。

玲さん(娘さん):もともとカラオケ屋さんで3年以上アルバイトをしているので、飲み物やお酒とか作ったり、提供したり片付けたりするのは慣れていますし、お会計も一通りやっているので、そんなにわからないことはなかったです。
今日もお客様でいらっしゃいましたけど、母の高校だったり大学だったりいろんな段階での知り合いにも会えました。母が同窓会へ大阪に行ったという話を聞いても実際会う事ってないので、すごく貴重な経験をさせていただいています。小学生の時とかよく旅行に連れて行ってもらったりして一緒にいる時間が長かったんですけど、最近一緒に何かをする時間があんまりないので、それを月1スナックという場を借りてできるというのはありがたいと思います。

大変だったり苦労したことはありますか?

柏原さん:娘が苦労していますよね(笑)

玲さん(娘さん):母がインスタが本当にわからないんですよ。

柏原さん:同じ質問を「これどうするんだっけ?あ、先週も全く同じことを・・」みたいな(笑)それが何度も。

楽しそうな仲良し親子
仲良し親子

玲さん(娘さん):そう!インスタもアプリの使い方だけじゃなくて、そこに載せる画像を作ったり、載せる写真を撮るとか、そういうインスタをやる前段階のことだったり、載せた後のそれがどう見られているかの反応を見るとか

柏原さん:そういう概念がないじゃないですか。私たちの世代って

玲さん(娘さん):なので、それも含めて「これ今5人見てるよ、1人がいいねしてるよ!よかったね」みたいな

柏原さん:「こんなの来たけど、どういう意味?」って聞いたりね。

玲さん(娘さん):キャプションという単語とかも全然わからないから、キャプションがこの文章で、この文章を見るには、こうしてこうしてみたいな(笑)教えるのも楽しいんですけど・・ちょっと難しい?

柏原さん:うん、難しい(笑)

ハッシュタグとか何を入れていますか?

玲さん(娘さん):ハッシュタグはまだこれからです。今、場所とかは結構できるよね。

柏原さん:まだまだこれからです。

「#会社辞めます」 ハッシュタグでも来るかもしれませんよ。

柏原さん:あ~、そういうアイデアが全然わからなくて・・これからですから(笑)マーケティングちょっと教えてもらおうかしら。

 リールとかストーリーとか若い子の方が知っているので、是非宣伝してあげてください。

玲さん(娘さん):はい。

「昼スナ」のママになりたい人にひとこと、親子でやるにあたってひとことお願いします。

柏原さん:意外と簡単にできますので、皆さんぜひチャレンジしてみたらいいと思います。本当にこれはやってみないと始まらないです。新しいことをやっていかないと、どんどん世の中が新しいことに切り替わっていきます。同じことをずっとやっているというのは、楽しければいいと思いますけど、もしつまらなければ、新しいことをどんどんやればいいと思います。その1つとして昼スナのママはお勧めです。

お母さんと一緒にやることでいいことがあればお願いします。

玲さん(娘さん):そうですね。スナック開催している実際の時間もそうですけど、その前後の準備片付けとか、じゃあ次どうしようっていう反省会をしています。
あとは、今週一緒に静岡にドライブに行ってたんですけど、それも「ちょっと美味しい物探しに行こう」みたいにスナックで他の人に紹介するもの探しに行ってきました。
あと、今年北海道へ行ったり、山梨の酒蔵に行ったり、同じ目的を持っていろんなところに行けるのが楽しいですね。

お母さんから仕事の仕方を教えてもらっているようですね。

玲さん(娘さん):私が教えてますね(笑)

柏原さん:私が教えてもらっているんです。だから会社員としての仕事は全く役立たないとは言いませんけど、全然違うから。これからの世の中に求められるものは、今の若い人がやっているようなことかな、と思って教えてもらっています。

いい関係ですね。うらやましいです。では、インタビューはこれで完了させていただきます。ありがとうございました。


セカンドキャリアをどうしようと悩んでいる人は、まずは様々な選択肢を知ること、そしてとりあえずやってみること。そこから「いいな」「ワクワクするな」というものを続けていけばいいのですね。悩んだ時は「スナック田んぼ」で恭子ママに相談できますね!

(2023年8月5日)  インタビューは、マチュアの会コンテンツチームの畠由佳子(2期生)、新井陽子(5期生)が実施しました。

「スナック田んぼ」のインスタグラム 
https://www.instagram.com/snack_tambo/

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