第二の人生を生き生きと働き続けるためのガイド1

実践知とスキルの棚卸

貴女は、第二の人生を生き生きと働き続けたいですか?

私は、30代後半の頃からマチュア世代に至る今日まで、第二の人生を生き生きと働き続けられるようになりたいと、強く思ってきました。そして、それを実現するための学びと活動を続けてきました。そんな実体験を踏まえて、この記事では、貴女が第二の人生を生き生きと働き続けるためのヒントを提供していきたいと思います。

第二の人生を生き生きと働き続けるためのファーストステップ。それは、「なぜ?」を明らかにすることです。

貴女は、なぜ働き続けたいのか?お金が欲しいから?やりがいが欲しいから?社会に貢献したいから?これまでしっかりと仕事をしてきた貴女だからこそ、第二の人生の働き方に様々な選択肢があります。ご自身が何を得たいのか、まずは、じっくりと考えてみましょう。

「なぜ?」を明らかにしたら、次は、whyを実現するための働き方を考えます。whyを実現するためには、年収や地位を維持したり高めたりする形で、組織で働き続けるのが良いのか、それとも、年収や地位にこだわらず、自分の目的にあった組織で働くのが良いのか、それとも、組織に属さず個人事業主や起業家として働くのが良いのか、働く場所は国内が良いのか、海外が良いのか。他にも、働き方の選択肢はあるかもしれません。

目指す働き方を決めた後は、それを念頭に置きながら、次の問いへの答えを探していきます。「誰のどんなニーズ(困り事や願望)に対して、どうやって解決・達成できるのか?それをどう効果的に相手に伝えるのか?」今回は、この問いの中の「どうやって解決・達成できるのか」の構成要素の一つを取り上げます。

構成要素の整理の仕方はいろいろあります。ここでは、「実践知・スキル、人脈、心身、コンピテンシー」と整理してみました。

実践知は、googleでページ検索すれば容易に入手できる知識とは違います。実践して、振り反って、内省して、他にも適用可能な形で概念化してはじめて、自分のものにすることができるものです。自分にどんな実践知やスキルがあるのかを知るための方法は、いくつかあります。自身の人生を振り反って棚卸をすることは欠かせない方法です。仕事を通じて、どんな専門性や実践知を身につけてきたのか?専門性は、例えば営業、経理、法務、設計など仕事の領域です。複数の専門領域があれば、全て書き出してみてください。

実践知は、すぐには書き出すことができないかもしれません。一つ一つの仕事を通じて何を学んだのかを振り反ってみる時間を取ってみてください。自分の視点だけでは漏れている点もあるかもしれませんので、他者視点を入れることもお薦めします。

誰かから言われたことの中で、強みと言える実践知やスキルはないでしょうか。他者から特に言われたことが無いという方は、貴方のことをよく知っている方に聞いてみるのも手です。「これまで私と接してきて、私の強みと感じたことはある?」と。自分では普通のことだと思っていたことが、他の方から見ると、すごいことだったりすることが、案外あるものです。

第二の人生だからこそ、特に求められる経験があります。第二の人生では、新しい環境で、これまでとは違った人達と働くことになりますので、多様な考え方や背景を持つ人々や、新しい環境で働く力があることを示す海外赴任や出向や横断PJへの参画など異なる場所で働いてきた経験も強みになります。

第二の人生では、働き方によっては、これまでの肩書が効力を持たない場合もあります。そういう場合でも力を発揮できることを示せるよう、例えば、マンションの理事会で理事をやっていたり、ボランティア活動に関わる中で人に影響を与えて何かを実現したりといった経験があれば、列挙しましょう。

一連の作業を経て言語化しリストアップした強みなどを相手に効果的に伝える方法については、次回お伝えします。キーワードは、STAR+一言で整理、 具体的、定量的です。どうぞお楽しみに!

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筆者紹介:

レジュメプロ 代表 井上 多恵子

大手グローバル企業で人材育成に従事しながら、キャリア・ディベロップメント・アドバイザーとしての知見を活かし、英文履歴書コンサルタント として、留学/転職/移住を希望する方々を中心に、英文履歴書などの書類の作成と面接をサポート。レジュメプロ アドバイザー寺澤恵との共著に、『心をつかむ英語アピール力』税務経理協会(2010)『プロが教える英文履歴書の書き方―自己分析から面接まで』DHC(2004)『英文自己PRと推薦状~磨こう!自己アピール力』税務経理協会(2003)がある。

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