働く女性のカラダ基礎講座 第1回

更年期は成熟に向けてのスタートポイント

■更年期は人生の大事な節目

更年期というとあなたはどんなイメージをお持ちですか。

若さを失うことへの漠然とした焦燥感でしょうか。それとも自分は元気だから関係がないと感じていますか。何れにしても更年期に明るいイメージは持ちにくいですね。

閉経する前後5年間を更年期と呼んでいます。閉経時期は個人差がありますが、平均的には50歳前後と言われています。人生50年といわれていたひと昔前は、閉経すれば人生も終焉でした。しかし、今は人生100年時代。閉経後の人生が30年も40年もあるとすると、更年期はまさに長い人生の折り返し地点と言えるのではないでしょうか。

女性ホルモンは女性の体の守り神

更年期に出やすい月経不順・めまい・ほてり・動悸・不眠・関節痛・不安感などさまざまな体調不良は、閉経に向けて卵巣機能が衰え女性ホルモンが減少することが起因しています。

女性ホルモンは妊娠・出産に大きく関わるものですが、実は女性の健康を維持するために大事な働きをしているのです。卵巣・子宮・乳房だけでなく、肌、粘膜、骨と筋肉、血管、脳、免疫力、そして情動と、私たち女性の体を守ってくれる大事な働きをしているのです。

ですから、今まで体を守ってくれた女性ホルモンが減少することで、私たちの体は確実に変化していきます。閉経後の人生後半を楽しく健康で過ごすためには、それなりの知識を持ってメンテナンスしていくことがとても大切なのです。

自分の更年期をうまくキャッチする

更年期はとても個人差があるので、自覚することは難しいことも事実です。体調不良の原因が女性ホルモンの乱れに起因することに気がつかずに、ドクターショッピングしてしまうこともよくあります。

ですから、40代になったら信頼できる婦人科のドクターを探し、ホームドクターとしてお付き合いすることをお勧めします。血液検査で女性ホルモンの状態がわかるので、年一回の定期検診をすることで、自分の体の変化を上手にキャッチすることができます。何かトラブルがあれば、ドクターから適切なアドバイスもいただけます。自分の更年期に伴走してくれる婦人科のドクターがいることはとても心強いことです。

更年期こそ自分をいたわる時間を大切に

更年期は誰でもやってきます。そしてこの時期は大なり小なり体調が崩れやすく、精神的に不安定になりやすい時期です。

更年期だから仕方がない・・・と、辛い症状を我慢せずに、自分の体と心にちゃんと向き合い、自分自身をケアする時間を持つように心がけてください。

ちょっと立ち止まる時間、今までの自分の振り返る時間、そんな時間を持つことは、人生の後半に向かうため大切な準備期間でもあります。更年期を豊かな気づきが得られるいい機会と捉え直してみるのはいかがでしょうか。

次回は更年期に深く関わる女性ホルモンについてお話しします。

筆者紹介:

キャリア・ドゥーラ・アソシエイト 代表 桐山 佳奈絵

ソフトウェア開発会社に勤務し30年に渡りエンジニアとしてソフトウェア開発およびプロジェクト管理に携わる。定年退職後、ベンチャー企業にて中小企業のIT導入支援を行なっている。
2018年、次世代の働く女性の支援する活動をするためにキャリア・ドゥーラ・アソシエイトを設立。
2019年、NPO 法人女性医療ネットワークの理事に就任。女性の健康学校「ジョイラボ 」の運営委員として活動中。

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