免疫力ってなんだろう
6月も終わり、梅雨明けが気になるこの頃です。この数ヶ月のコロナ禍は私たちの生活を大きく変化させましたね。スーパーで食材を買い求める時に、「免疫力アップ」とか「抗菌作用」という品書きがあると、なんとなく手が伸びてしまうこの頃です。
そもそも「免疫力」ってなんでしょう。 何気なく使っている「免疫力」。
免疫とは「疫を免れる」ということですが、私たちの体でどんなことが起こっているのでしょう。
免疫とは外部から侵入してきた細菌やウィルスを退治すること。
この免疫機能は、自律神経というネットワークの中で血液中にある白血球が「免疫」の仕事をしてくれているのです。
■免疫の働きをする白血球チーム
血液中にある白血球は大きく分けると3つ。
・マクロファージ
・顆粒球
・リンパ球
それぞれ役割が分かれていて、お互い連携プレーをながら免疫の働きをしてくれています。
マクロファージは、アメーバー状の大きな細胞で全身をパトロールしています。
私たちの体に何か悪さをするものがないか監視しているのです。 パトロール中に「あっ、怪しげな奴」を見つけると、とりあえずバクバク食べて、その食べた情報を他のチームに知らせるのです。
顆粒球は、細胞・バクテリアなどのサイズの大きい外敵に対応します。マクロファジーからの情報を受けて外敵を見つけ、活性酸素や消化酵素を使って、分解し燃やして外敵を亡き者にしてしまいます。敵と戦うために活性酸素を使うところがミソです。
リンパ球は、ウィルスなど小さな外敵を担当します。実はウィルスは自分では繁殖ができません。細胞に入り込んで増殖します。リンパ球はウィルスが細胞に入り込まないように抗体を作って無害化していきます。抗体を一度作ってしまうとそれを記憶していて、また同じウィルスが入ってきたときにすくさま抗体を作って対応するので、病状が出ることはありません。麻疹やおたふくになると、二度は罹らないのはこの働きがあるからです。
このように、白血球はそれぞれチームに分かれて、外敵を退治しれくれているのです。
そしてこの3チームのバランスは
・マクロファージ(5%)
・顆粒球(60%)
・リンパ球(35%)
となっており、顆粒球だけが多くても、リンパ球だけが多くても「免疫」として 外敵から身をうまく守ることはできないのです。
■ 白血球をコントロールしている自律神経
この血液中に流れる白血球ですが、自律神経と深い関係があります。自律神経とは、私たちの生命体を維持するために体内を調整してくれている大事な神経。例えば心臓の動き・胃の消化活動・腸の蠕動運動など内臓の働きや、体温や血圧や呼吸など、人間の生命を維持する様々な働きを調整してくます。
この自律神経ですが、日中活動しているときに活発になる交換神経と夜間リラックスするときに活発になる副交換神経の2つに分かれます。交換神経が優位な時は顆粒球が活性化し、副交換神経が優位な時はリンパ球が活性化します。顆粒球とリンパ球がバランスよく仕事をするためには、自律神経の交換神経と副交換神経のバランスが不可欠なのです。
■ 自律神経を整えることが免疫力アップ
交換神経と副交感神経は片方が優位になると片方が抑制される関係になっています。 ストレスが多い生活をして交換神経が常に緊張している状態ですと、副交換神経が働かず、白血球の顆粒球とリンパ球のバランスも崩れ、免疫機能がうまく働かなくなってしまうのです。
交換神経と副交換神経は私たちの体内時計ともリンクしていて、目覚めて太陽に当たれば交感神経のスイッチがオンになり、また夜になり食事をして寝床に入れば副交感神経が優位に働くのです。
免疫力を上げたければ、まずは生活のリズムを整えることが第一歩。メリハリのある生活が大事です。Stay Homeが長かった私逢。ある意味で交換神経ばかり使っていた生活から副交感神経を刺激する生活をして、バランスが取れてきたのかもしれません。
日中は太陽を浴びて活発に運動し、夕方からは家族と共にゆっくり過ごす。ごく当たり前の生活。その当たり前の日常を大切にすることにこそ、免疫力をアップする秘訣があるのです。
筆者紹介:
キャリア・ドゥーラ・アソシエイト 代表 桐山 佳奈絵
ソフトウェア開発会社に勤務し30年に渡りエンジニアとしてソフトウェア開発およびプロジェクト管理に携わる。定年退職後、ベンチャー企業にて中小企業のIT導入支援を行なっている。
2018年、次世代の働く女性の支援する活動をするためにキャリア・ドゥーラ・アソシエイトを設立。
2019年、NPO 法人女性医療ネットワークの理事に就任。女性の健康学校「ジョイラボ 」の運営委員として活動中。
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